スティッチとツインテールが泣くほどキライなのだ!相貌失認の悲しき事情
うわ~ん!!!!!!!!
「こんなのいやだ~!!こわいよ~!!」
ある日の夕方、小学3年生のソボの泣き声が店内に響き渡りました。
原因は、「スティッチの筆箱」でした。
ソボがなぜそんなに「スティッチの筆箱」を嫌がったのかというと・・・。
それは、さかのぼること10分前。
「お母さん、テキトーに買ってきて。
青っぽいやつなら何でもいいよ。
ベンチに座ってるね。」
「オッケー!」
私とソボは、新しい筆箱を買うために、二人でデパートへ来ていました。
ソボは元々「動物のキャラクター」が好きでした。
だから私は「動物」「青」という2大キーワードを元に、筆箱選びを始めました。
当時は「リロ&スティッチ」が大流行。
至る所に陳列されている「リロ&スティッチ」グッズが、おのずと目に入ります。
私は迷うことなく、「青」「動物」という2大条件を余すところなく満たすスティッチの筆箱を購入しました。
いいのが買えたなぁ。ソボ、きっと喜ぶぞ。
私はにんまりしながら筆箱が入っている袋を張り切って「はいっ!」と渡しました。
すると袋から筆箱を取り出した瞬間、ソボの顔がみるみる歪んでいき、急に「うわ~ん!」と泣き出しました。
「こんなのやだ~!!怖い~!!」
ものすごい拒絶反応です。一体なぜ???
そこで理由を聞いてみました。すると
「スティッチは怖い!」
???
確かにアニメに出てくるスティッチはいい子とは言えません。
でも、普通そこまで怖がるか???
ますますわけがわかりません。
そこでよくよく聞いてみると、学校に嫌な女の子がいるらしく、どうもその子がリロ&スティッチグッズをたくさん持っているということらしいのです。
嫌な子がいたら普通は嫌悪の対象はその子(人間)になるのと思うのですが、
(当時は相貌失認だと気づいていなかったのですが)ソボの場合は相貌失認のため、嫌な子がだれなのか名前も顔もわからないため、覚えることができません。
でもイヤな思いをしたときはいつもスティッチの破片が見える。
(相貌失認は、注目した部分だけが拡大して見えます。)
いつしかソボの中では、
「スティッチが見えるとイヤなことが起こる」
⇒「スティッチは悪いヤツの仲間」
というイメージが定着してしまったようなのです。
それでスティッチを見ただけで怖がり、ひどい拒絶反応を起こしてしまったようです。
実はこのときの理由が判明したのはつい数年前なのですが、当時は何をいっているのかさっぱり訳がわかりませんでした。
ですがそこまで嫌がるキャラクターを買うわけにもいかず、私はやむなくスティッチの筆箱を返品しました。
そしてその日はキャラクターのついていないキレイな青のチェック柄の筆箱を買って帰ることにしました。
スティッチの他にもソボが悪の仲間として認定したものがあります。
それは「頭のてっぺん近くにあるツインテール」です。
月に代わっておしおきをする5人の正義の味方が現れてから、女子の間ではツインテールが大流行していました。
猫も杓子もツインテール。その中一人がイヤなヤツなのでしょうね。
でもソボにとっては「△ちゃんが怖い~」ではなく「ツインテールが怖い~」なのです。
この時期は「人」を嫌悪するよりも「モノ」を嫌悪していたのは、人の顔を認識することのできない相貌失認ならではの事情だと思います。
相貌失認のソボが小学3年生のときに怖かったモノ。それは
スティッチ
ツインテール
セイタカアワダチソウ
しいたけ
傍からみれば、なんじゃそれ?と首をかしげてしまうようなものばかりですが、
相貌失認のソボにとって、それらのものは泣くほどイヤなものだったようですよ。
・・・・・スティッチ、カワイイのになぁ。