PTSD(トラウマ)の人は「爬虫類脳」が活性化している状態である
PTSD(トラウマ)を患っている人は、「爬虫類脳」が活性化し「人間脳」は不活性化しています。
それはどういうことかと言うと、PTSDの人は、危険に対して常に敏感になっていますが、自分のトラウマ体験を言語化して説明することができないということです。
そのため中々周囲に気づかれず、トラウマの発見が遅れてしまうケースが多くなります。
そもそもトラウマ体験というものは、※フラッシュバック現象からも分かるように、イメージデータで記憶されています。
※フラッシュバック現象とは、深刻な心の傷あるいはストレス体験が、頭の中でイメージ画像として臨場感を伴って再現される現象のことを言います。そのため非常に苦しい思いをします。
しかし治療回復を図ることにより、トラウマ体験は次第にイメージデータからデジタルデータへと変わっていきます。そして次第に言語化され、次第にトラウマ体験を語れるようになっていきます。それは「爬虫類脳」よりも「人間脳」の方が活性化してきたことを意味します。
そこで今回は、PTSDとはどのような状態なのか「爬虫類脳」や「人間脳」の内容とともに、簡単にご説明させて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
動物の脳の進化について
動物は、爬虫類⇒哺乳類⇒人間へと進化してきました。
以下の図は、各動物脳の特徴を表しています。
爬虫類脳について
爬虫類脳は、生きるために必要な本能のみで生きています。
PTSDの人はこの爬虫類脳の領域が活性化しており、「安全か危険か」だけを考えて生活しています。危険に対してに非常に過敏になっており、小さな音やかすかな臭いでも驚くことがあります。危険に対して反射的に反応し、安全であることが最優先になります。自己中心的になります。
哺乳類脳について
哺乳類脳は、喜怒哀楽や愛情・仲間意識をコントロールする脳です。
これは仲間と協力したり集団行動をとることによって、子供の育児と保護の役割を担っています。また、不安や恐怖などの本能的な感情によって、危険を避けたり攻撃したりします。
人間脳について
人間脳は一言で言うと、思考脳です。
人間脳は、右脳と左脳から成り立っていて、倫理・言語・未来予測・想像・記憶・空間把握などをコントロールします。
動物の脳の領域について
- 爬虫類は、爬虫類脳1つのみ
- 哺乳類は、爬虫類+哺乳類脳の2つの領域があります。
- 人は、爬虫類脳+哺乳類脳+人間脳の3つの領域があります。
これは人の脳の領域の断面図です。
PTSD状態について
冒頭でも述べました通り、PTSDの人は深い心の傷やストレスにより、人間脳の領域があまり機能せず、爬虫類脳の領域が活性化している状態になります。(なぜそのような状態になるのかに関しては、私は専門家ではないのでわかりません。)
いずれにせよ、PTSDの人に見られる症状と致しましては、
- 性格が変わった
- 神経質になった
- 怖がりになった
- 眠りが浅くなった
- 音や臭いといった五感に過敏になった
- 人付き合いが悪くなった
- 言葉数が少なくなった
- 感情表現が少なくなった
- 表情が乏しくなった
- 特定の場所や物を怖がるようになった
ということが挙げられます。
これは、明らかに「爬虫類脳」の特徴であることがわかります。
つまりPTSDの人は「爬虫類脳」が活性化している状態だということがわかります。
PTSDの治療について
PTSDの治療方法はいくつかあります。
呼吸法・カウンセリング・イメージトレーニング・ガミュートスポット(ツボ)・EMDRなどです。
きちんと治療し、時間をかければPTSDは克服できると思います。
つまりきちんと治療すれば、爬虫類脳のみならず、哺乳類脳や人間脳を活性化させることができるようになると思います。
ただし、PTSDの治療をご検討されている方は、国家資格である公認心理士さんがいる病院での治療をおススメ致します。その方が確実な治療をしていただけると思います。
少しでもPTSDで苦しんでおられる方のご参考になれば幸いです。
ご精読ありがとうございました。